加沢記 巻之四③ 武田左馬頭殿御生涯下曽根不道之事

加沢記 武田左馬頭殿御生涯下曽根不道之事
加沢記 武田左馬頭殿御生涯下曽根不道之事

主な登場人物

武田左馬頭信豊

小諸で下曽根を頼るが…

下曽根岳雲軒

織田に取り入るため非道の行いをするが…

内容

 久しぶりに『加沢記』の続きだ~!

 久しぶり過ぎてあたしゃもう前回までのストーリー忘れたよ。

 この章はメッチャ短いので慣らすにはいいのかも。※

(※本記事はツイッターからの転記ですので、記述は当時の所感です。)

 

 武田左馬頭(信豊)は「小諸はオレが守るぜ~!(原文:小諸に在城有ん)と、張り切って諏訪から出てきたのですが、ほどなくして勝頼が亡くなってしまい、途方に暮れていました…。トホホ。

 

 左馬頭はやっとの思いで10騎ばかりを連れて下曽根岳雲軒(覚雲軒)の館へ逃げ込みました…。

 

左馬頭「おう下曽根!…オメーも武田家には恩義があんだっぺ?…ワリーけど匿ってくれや……頼むで!(原文:此頃厚恩被成下ければ相頼)

 

下曽根「はぁ…(チッ!…メンドくせえな…)」

 

…その夜…

 

下曽根「…ふう~ゥ……考えようによってはよ~…コレって織田に取り入るチャンスじゃね…?(ニタァ…)」

 

――ガラッ!――(寝所に押し入る音)

 

左馬頭「な なにをする きさまらー!」

 

――💥――

 

…こうして左馬頭を○害した下曽根は、その首を信長へと捧げました…。

 

下曽根「…エへへ~…ψ(*`ー´)ψ …コレで織田からタンマリと恩賞がもらえるぜー!(原文:一廉の御恩賞にも可預)

 

…と、夜を日に継いでこのことを注進しました…が…!

 

下曽根「まだかな、まだかなー♪…織田からの、恩賞まだかなー♪」

 

――しーん…――

 

下曽根「…アレレ?…おかしいな?😅

 

…ついに大した恩賞ももらえずじまいでした…。

 

…この下曽根岳雲軒という男は、信玄以来に武田から厚恩を受けた者で、甲府で人質を預かるなどの役割を与えられ、安楽に暮らしていました…。

…その男がッ!…大恩ある武田に対して、このような無情の振る舞い――天道に背いた行為――を行うとはッ…!!

…その報いだろうか?……下曽根は程なく流浪し、貧困し、孤独の身と成りさがりました…。

 

…そして道路で袖を広げてコ○キをしていたところを、名もない男の乗る馬に蹴られて果てたそうです…。

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原文

武田左馬頭殿は小諸に在城有んとて諏訪より御下り有けるが、無程勝頼公御生涯也ければ十方にくれ給て漸十騎斗にて下曽根岳雲軒が館に御忍有て、此頃厚恩被成下ければ相頼の旨被仰ければ、入道無余儀領承してけるが、其夜の内に心変し御寝所へ乱入、押而首を賜り信長公へ捧たり、一廉の御恩賞にも可預と夜を日に継て注進しけれども指ての事は無りけり、此岳雲軒と申は信玄以来御厚恩の者也、甲府にて人質を被預て安楽に暮しけるが、斯無情振舞天道に背たる故無程流浪し貧コウ孤独の身と成果、道路に袖を広けて匹夫の蹄に欠つて失にけり。